目の病気について
屈折異常
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どんな病気?
裸眼視力が低下した状態のことを「屈折異常」といいます。
視力が発達する段階の小さな子ども(おおむね未就学児)の場合には、放置すると、物を見る機能の発達が妨げられてしまうこともあります。
小学生以上の場合も屈折異常かどうか検査、診察を受けることが大切です。屈折異常がある場合には、早めに眼科を受診しましょう。
「屈折異常」とは?
「網膜上にきちんと像を映し出せず、ぼやけたり、二重に見えたりする」もので、「近視」、「遠視」、「乱視」の状態を、あわせて「屈折異常」といいます。
私たちが物を見るとき、外から目に入ってきた光は、角膜や水晶体によって屈折し、網膜上に像が映し出されます。このとき、目は水晶体の厚みを調節して、ピントを合わせています。ピントが合っていると、映し出される像は鮮明です。この状態が「正視」で、裸眼で物をよく見ることができます。
「屈折異常」はこの屈折がうまくいかず、網膜上にきちんと像が映し出されない状態です。いつもぼやけて見えていると、物を見る機能の発達が遅れ、弱視になったり、遠近感や立体感が分からなくなることがあります。
子どもの仕草に注意
次のような子どもの仕草に気が付かれたら、屈折異常を疑って眼科を受診してください。
■ 物に近づいて見る
注意してもテレビに近づいて見るときは、近視、遠視、乱視の疑いがあります。強度の屈折異常があると、ゲームや本などに顔をつけるようにして見ていることがあります。なお、小さなお子様の場合は屈折異常がなくてもテレビに近づいて見ることもありますので、まずは眼科で検査を受けてみましょう。
■ 目を細める
乱視や近視があると、水晶体を調節してピントを合わせようとするため、目を細めて物を見ることがあります。
■ 集中力がない、飽きやすい
遠視があると、遠くを見る時も近くを見る時も、常にピントを合わせようとしています。目が疲れるため、集中して物事に取り組むのが難しい場合があります。なお、遠視とは関係なく集中力がない、飽きやすい場合もありますが、まずは眼科で検査を受けてみましょう。
屈折異常が片方の目だけの場合は、子どもが物に近づいて見たり、目を細めて見たりといった見にくそうな様子や、集中力がない、飽きやすいといったことがほとんどなく、気付かれないことがあります。健診で発見されることが多いので、早期発見のために、1歳6ヵ月健診と3歳児健診を必ず受けましょう。
屈折異常の治療は?
症状に合った眼鏡をかけて屈折異常を矯正します。
コンタクトレンズは、自分で管理ができる年齢=中学生以上になってから使うことをおすすめします。
■ 遠視と乱視の場合:裸眼では物が見えにくいので、強度の遠視・乱視や弱視・斜視がある場合は、常に眼鏡をかけます。
■ 近視の場合:当院では、両眼の裸眼視力がおおむね0.6以下の場合に眼鏡をおすすめしています。強い近視の場合は常に眼鏡が必要になりますが、軽い場合は黒板など遠くを見る必要があるときだけ眼鏡をかければ良いでしょう。
眼鏡をきちんとかけて頂くために
子どもは鼻の高さが成長途中のため、眼鏡が下にずれてしまうことがよくあります。
ずれにくい眼鏡や、眼鏡のずれを防ぐ部品もあるため、活用してみましょう。
①耳の形に沿ったケーブルタイプのつるは、耳にしっかりかかりずれにくいです。
②眼鏡のずれを防ぐストッパーも様々な種類があります。
③「鼻パッド」は、通常使われるブラスチック製のものより、シリコンゴム製のものの方が弾力があり、滑りにくいです。
④眼鏡にバンドを付ける方法もあります。小さなお子様におすすめです。
①ケーブルタイプのつるの眼鏡
②ストッパー
②ストッパー
③シリコンゴム製の鼻パット
④バンド
日常生活で気を付けることは?
乱視や遠視を予防することは難しいですが、近視の場合は、近くを見続けると近視の進行を早めると考えられています。
近くを見るときは背筋を伸ばして、目標を30㎝程度離して、30分ほど見たら10分ほど休憩を取るなどしましょう。
その他
2006年4月1日~、9歳未満の子どもが使用する「弱視、斜視、先天性白内障術後」などの治療に必要だと医師が判断して処方した眼鏡やコンタクトレンズなどの治療用眼鏡などにかかる療養費の支給が認められるようになりました。
当院でも必要な書類を無料で発行し、申請方法をご説明させていただいておりますので、ご不明な点などありましたらどうぞお気軽にお声掛けください。